中小企業生産性革命推進事業【令和6年度】で活用できる補助金・助成金、支援内容を解説

中小企業にとって、生産性向上は持続的な成長に不可欠です。
政府もその重要性を認識し、「中小企業生産性革命推進事業」を通じて様々な支援策を提供しています。

本記事では、令和6年度の中小企業生産性革命推進事業について、概要から支援内容、申請方法、成功のポイントを解説します。

補助金・助成金の概要や、申請を成功させるためのポイントも詳しく解説しているので、ぜひ最後までお付き合いください。

中小企業生産性革命推進事業とは？

中小企業生産性革命推進事業は、日本の経済活性化と持続可能な発展に貢献するため、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援する推進事業です。

少子高齢化の進展やグローバル競争の激化など、日本の経済を取り巻く環境は厳しさを増しており、中小企業の生産性向上は喫緊の課題となっています。

中小企業生産性革命推進事業の目的は、中小企業・小規模事業者のデジタル化促進、設備投資、人材育成などを支援すること（IT導入支援、設備投資支援、人材育成支援など）で、生産性向上を図り、経済全体の活性化につなげることにあります。

近年、デジタル化の遅れが中小企業の生産性向上を阻害する大きな要因となっています。

中小企業生産性革命推進事業では、デジタル技術の活用を促進することで、業務効率化やコスト削減、新たなビジネスモデルの創出などを支援し、競争力強化を図ることを目指しています。

【参考】中小企業生産性革命推進事業 │ 中小企業庁

中小企業生産性革命推進事業の制度変更点について

中小企業生産性革命推進事業で活用できる4つの注目ポイント

令和6年度 中小企業生産性革命推進事業は、昨年と同様に補助金による中小企業の生産性向上などに役立てられます。

中小企業生産性革命推進事業は、中小企業庁が主体となり、生産性向上に資する様々な取り組みを支援する事業です。
令和6年度においても、前年度からの継続事業に加え、新たな支援策が導入されています。

対象となる中小企業は、一般的に従業員数や資本金などの要件を満たす企業となります。ただし、事業内容や業種によっては、特定の条件が追加される場合もあります。

中小企業に関係する国の制度変更

働き方改革、社会保険の適用拡大、インボイス制度の導入の3つで変更がありました。

働き方改革は、すべての中小企業・小規模事業者において、着実に実施する必要がります。働き方改革関連法では、年次有給休暇の時季指定や時間外労働の上限、同一労働同一賃金の3つにおいて、法改正が順次始まっているため、確認が必要です。

支援ツール・サービス

中小企業生産性革命推進事業では、ITプラットフォーム（使いやすい、導入しやすい業務用アプリの紹介）、J-Net21（経営課題ごとに、知りたい情報を簡単に探せるツール）、WEBee Campus（経営に役立つ双方向のオンライン研修サービス）、経営自己診断システム（財務データを入力するだけで、すぐに財務上の問題を把握）の4つの支援ツール、サービスの導入事例を紹介しています。

専門家への相談

中小企業生産性革命推進事業では、経験豊富な専門家が、国内外の事業拡大やIT化促進等を支援してくれています。

中小企業生産性革命推進事業で相談できる内容は以下のとおりです。

利用可能な専門家への相談	内容
中小機構 経営相談	中小機構の9地域本部にご相談窓口を設置し、生産性向上をはじめ経営に関する様々な相談に 各分野の経験豊富な専門家が無料で回答
海外展開ハンズオン支援	海外展開のあらゆる相談に無料でお応えし、皆さまのお取り組みを経営目線でナビゲート ※オンラインでのアドバイスも可能
よろず支援拠点	国が全国に設置する、中小企業・小規模事業者の皆様のための経営相談所
認定経営革新等支援機関	専門的知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関 専門性の高い支援が受けられる
ハンズオン支援（専門家派遣）	経営課題の解決に向けて、個別事情に合わせ、多様な支援テーマを提案、課題解決のサポート

ただし、補助金の申請やその他の手続きへのアドバイスは一切行っていません。

補助金や助成金の申請に関しての相談は、民間の専門家への相談が必要です。創業融資の窓口®では、補助金・助成金の申請やご相談をおこなっております。ぜひお気軽にご相談ください。

補助金・助成金の活用

中小企業生産性革命推進事業で活用できる補助金は、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4つとなります。

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活用できる補助金・助成金について

本事業では、中小企業の生産性向上に向けた取り組みに対して、補助金や助成金が活用できます。
各補助金・助成金の補助率や助成率、申請方法、スケジュールなどは、事業内容や申請時期によって異なります。

中小企業生産性革命推進事業の補助金・助成金早見表

補助金・助成金	補助率	申請スケジュール	備考
ものづくり補助金	1/2もしくは2/3以内	【17次締切】 公募開始日：令和5年12月27日(水) 17時 申請開始日：令和6年2月13日(火) 17時 申請締切日：令和6年3月1日(金) 17時 【18次締切】 公募開始日：令和6年1月31日(水) 17時 申請開始日：令和6年3月11日(月) 17時 申請締切日：令和6年3月27日(水) 17時	原則としてオンライン申請
小規模事業者持続化補助金	2/3以内	発表待ち
IT導入補助金	1/2もしくは2/3以内 ※一部3/4、4/5以内	発表待ち
事業承継・引継ぎ補助金	補助上限額は原則600万円 1/2以内	発表待ち

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、サービスや生産プロセスの改善をはじめ、新製品開発に必要な設備投資などが対象とし、中小企業や小規模事業主を対象とした補助金です。

補助率は、1/2もしくは2/3以内となります。

申請締切日が令和6年3月27日(水) 17時の18次まで発表されています。

【参考】ものづくり補助金

小規模事業者持続化補助金（一般型・災害支援枠）

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む「販路開拓」を支援する補助金です。

対象事業は以下となります。

補助率は、2/3以内です。

【参考】小規模事業者持続化補助金

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際、経費の一部が補助される制度です。 ITツール導入により経営課題を解決することで、労働生産性の向上や業務効率化を促すことを目的としています。

対象事業は以下となります。

枠について	補助率	補助額
通常枠	1/2以内	1プロセス以上：5万円以上150万円未満 4プロセス以上：150万円以上450万円以下
インボイス枠（インボイス対応類型）	【インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト】 50万円以下：3/4以内、4/5以 50万円超〜350万円以下：2/3以内 【PC・ハードウェア等】 1/2以内	【インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト】 50万円以下 50万円超〜350万円以下 【PC・ハードウェア等】 PC・タブレット等：10万円以下 レジ・券売機等：20万円以下
インボイス枠（電子取引類型）	中小企業小規模事業者等：2/3 以内 その他の事業者等：1/2 以内	（下限なし）～350万円以下
セキュリティ対策洲新枠	1/2以内	5万円以上100万円以下
複数社連携IT導入枠	補助対象経費によって、異なる ※詳細はIT導入補助金の公式サイトをご確認ください

【参考】IT導入補助金

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金とは、、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助する制度です。

対象事業は以下となります。

補助金額の上限は600万円となります。

【参考】事業承継・引継ぎ補助金

中小企業生産性革命推進事業のメリット・デメリット

中小企業生産性革命推進事業を活用するメリットと、留意すべきデメリットを具体的に解説します。

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メリット① 生産性向上による収益増加

中小企業生産性革命推進事業の最大のメリットは、生産性向上による収益増加です。

IT導入支援や設備投資支援を通じて業務効率化を図ることで、人件費削減や生産量の増加、不良品率の低減といった効果が期待できます。

これにより、売上増加や利益率向上に繋がり、企業の持続的な成長を促します。

生産性向上による効果	具体的な例
人件費削減	業務自動化による残業時間削減、人員削減
生産量増加	生産設備の更新による生産能力向上
不良品率低減	最新設備導入による品質管理の向上
リードタイム短縮	ITシステム導入による情報共有の迅速化

メリット② 競争力強化

生産性向上は、企業の競争力強化に直結します。

中小企業生産性革命推進事業を活用したIT導入や設備投資は、顧客への迅速な対応、高品質な製品・サービス提供、新たな市場開拓などを可能にします。

競合他社との差別化を図り、市場における優位性を確立する上で大きな力となります。

メリット③ 事業継続性の向上

高齢化による人材不足や、急激な技術革新への対応といった課題に直面する中小企業にとって、事業継続性は重要なテーマです。

中小企業生産性革命推進事業は、これらの課題解決を支援することで、企業の持続可能性を高めます。

例えば、IT導入による業務効率化は、人材不足を補う効果があり、最新技術の導入は、競争力を維持し、事業を継続していく上で不可欠です。

デメリット① 申請手続きの煩雑さ

中小企業生産性革命推進事業でできる補助金・助成金の申請手続きは、一般的に煩雑で、時間と労力を要します。

必要書類の準備、申請内容の精査、関係機関とのやり取りなど、多くの作業が発生します。

専門的な知識や経験がないと、申請がスムーズに進まない可能性があり、事業担当者の負担増加につながる可能性があります。

デメリット② 採択率が低い

中小企業生産性革命推進事業への申請件数は多く、採択率は必ずしも高いとは言えません。

申請内容の質、事業計画の妥当性、企業の財務状況など、様々な要素が採択に影響します。

採択されない場合、費やした時間と労力が無駄になる可能性があるため、十分な準備と計画が必要です。

上記のメリット・デメリットを踏まえ、貴社の状況と事業計画を慎重に検討し、中小企業生産性革命推進事業への参加について判断することが重要です。

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補助金・助成金申請を成功させるポイント

中小企業生産性革命推進事業の申請は、競争率が高いため、綿密な準備と戦略的なアプローチが不可欠です。
申請書類の作成から事業計画の策定、面接対策まで、成功のためのポイントを解説します。

申請書類作成のポイント

申請書類は、事業の理解度と実現可能性を審査員に示す重要なツールです。正確で分かりやすく、説得力のある書類を作成することが、採択率向上に繋がります。

ポイント	具体的な対策
正確な情報と数値の提示	申請要項を隅々まで確認し、必要な情報、数値を正確に記入しましょう。 誤字脱字、数値のミスは、審査員の印象を悪くする可能性があります。 必要に応じて、専門家の助言を求めることも有効です。
論理的な構成と分かりやすい説明	申請書類は、論理的な構成で、分かりやすく簡潔に記述しましょう。 専門用語を多用せず、一般の人にも理解できる言葉で説明することが重要です。 図表などを活用して、視覚的に分かりやすくする工夫も効果的です。
実績データや証拠資料の添付	過去の事業実績や、計画の根拠となるデータ、証拠資料などを積極的に添付しましょう。 数値データだけでなく、写真や図表なども効果的です。 これにより、事業計画の信頼性を高めることができます。

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事業計画の策定ポイント

事業計画は、事業の目的、内容、方法、期待される効果などを具体的に示すものです。

実現可能性が高く、効果的な事業計画を作成することが、申請成功の鍵となります。

ポイント	具体的な対策
明確な事業目的の設定	事業の目的を明確に設定し、数値目標を立てましょう。 目標は、具体的かつ測定可能なものでなければなりません。 例えば、「生産性を20％向上させる」といった具体的な目標を設定しましょう。[5]
実現可能な計画の立案	計画は、現実的に達成可能なものでなければなりません。 無理な目標設定は、審査員からの評価を下げる可能性があります。 実現可能性を検証し、リスク管理についても考慮しましょう。
費用対効果の明確化	事業によって得られる効果と、それに要する費用を明確に示しましょう。 費用対効果が高い事業計画は、審査員からの高い評価を得ることができます。
持続可能性の確保	事業が長期的に持続可能であることを示す必要があります。 事業終了後の計画や、継続的な収益確保のための戦略などを明確に示しましょう。

面接対策のポイント

面接では、事業計画の内容について、審査員から様々な質問を受けます。

事業への理解度、計画の妥当性、実現可能性などを的確に説明できるよう、準備が必要です。

ポイント	具体的な対策
事業計画の理解度を深める	事業計画の内容を完全に理解し、あらゆる質問に答えられるように準備しましょう。 特に、数値データや根拠については、詳細に説明できるようにしておきましょう。
想定される質問への回答準備	審査員からどのような質問がされるかを予測し、それに対する回答を事前に準備しておきましょう。 想定問答集を作成し、練習することも有効です。
自信と熱意を持って説明する	面接では、自信と熱意を持って事業計画を説明することが重要です。 審査員に、事業への情熱と実現への強い意志を伝えましょう。
質疑応答への対応練習	想定される質問だけでなく、想定外の質問にも対応できるよう、質疑応答の練習をしておきましょう。 練習を通して、スムーズな説明ができるようにします。

これらのポイントを踏まえ、徹底的な準備を行うことで、申請の成功確率を高められます。

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