このコラムでわかること(目次)
はじめに|「100万円で1,000万円借りられますか?」という質問の本当の答え
創業融資の相談で、非常によく聞かれる質問があります。

自己資金100万円しかないんですが、創業融資はいくら借りられますか?
ネットやSNSでは、

自己資金10万円で1,000万円借りた

ほぼ自己資金ゼロでも満額通った
といった情報も見かけますが、それをそのまま鵜呑みにするのは非常に危険です。
結論から言えば、自己資金100万円で借りられる金額は人と設計次第で大きく変わるというのが現実です。
この記事では、
を、創業融資の現場視点で解説します。
自己資金100万円は「少ない」のか?まず前提として、自己資金100万円は決してゼロではありません。
創業融資の現場では、
- ・自己資金0円
- ・10万円〜30万円
という相談も珍しくありません。
その中で見ると、100万円は「評価できる最低ライン」に位置します。
ただし注意点があります。
自己資金100万円は、強みにはならないが、致命的な弱点でもないという、非常にシビアなポジションです。
つまり、
- ・設計が甘ければ即アウト
- ・設計が整っていれば十分勝負できる
この分かれ目に立っている状態だと言えます。

監修者:太田 耕一郎
コンサレッジ株式会社 代表取締役社長
支援実績537社(2025年10月末時点)に対して、融資実行率93.8%、企業生存率98%を誇る、起業コンサルタント。さまざまな角度から起業を志す人に最適な融資計画やコンサルティングに強みを持つ。
※本コラムでご紹介する内容は専門家および創業融資の窓口®(コンサレッジ株式会社)の監修によるもので、一般的な創業融資を受けるための方法です。
自己資金100万円で想定される現実的な融資額レンジ
では、実際にいくら借りられる可能性があるのか。これは大きく3つのパターンに分かれます。
パターン①:保守的なケース(200〜300万円)
- ・初期投資が小さい
- ・固定費が低い
- ・スモールスタート型の事業
このようなケースでは、自己資金100万円に対して200〜300万円程度の融資が現実的なラインになります。
金融機関としても、「リスクを抑えたスタート」と評価しやすく、比較的通りやすいゾーンです。
パターン②:標準的なケース(300〜500万円)
- ・事業経験がある
- ・売上の根拠が明確
- ・資金繰り計画が整理されている
こうした条件が揃うと、300〜500万円前後まで融資額が伸びる可能性があります。
自己資金100万円でも、「この規模なら返済できる」と判断されれば、十分に現実的な金額です。
パターン③:戦略がハマったケース(700万円以上)
一部ではありますが、
- ・事業モデルが明確
- ・売上発生が早い
- ・数字説明が非常に強い
こうしたケースでは、自己資金100万円でも700万円以上の融資が実行されることもあります。
ただしこれは再現性が高い一般論ではなく、設計勝負の結果です。
事例①|自己資金100万円で融資を成功させたケース

自己資金が100万円しかなくて…。正直、厳しいですよね?

100万円あれば、十分設計次第でいけますよ。事業内容を教えてください

初期費用は抑えられます。固定費も低いです

それなら、最初から大きく借りる必要はありません。現実的な金額でいきましょう
事業規模を調整し、資金繰り計画を整理した結果、自己資金100万円で創業融資が実行されました。
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なぜ自己資金100万円でも借りられる人がいるのか?
自己資金が少なくても融資が通る人には、はっきりした共通点があります。
①初期投資を抑えた事業設計をしている
- ・いきなり店舗を構えない
- ・内装にお金をかけすぎない
- ・外注や変動費を活用する
こうした設計は、金融機関から見ると非常に合理的です。
②売上の立ち上がりが早い
創業融資では、「いつ売上が出るのか」が非常に重要です。売上が早く立つ事業は、自己資金が少なくても評価されやすくなります。
③借入額を欲で決めていない
「借りられるだけ借りたい」という姿勢は、評価を下げます。
一方で、「この金額で十分回ります」と説明できる人は、自己資金が少なくても信頼されます。
事例②|自己資金10万円→2,100万円に化けたケース

自己資金は正直10万円しかありません…

金額より、事業の中身を見ましょう
事業モデル、売上構造、資金繰りを徹底的に整理し、段階調達の設計を行いました。
結果として、自己資金10万円から2,100万円の融資実行に至りました。
重要なのは、「最初から2,100万円を借りた」のではなく、事業構造を評価された結果、金額が積み上がったという点です。
実際には融資を受ける人の状況や業種、ご経歴・ご実績によって、さまざまな方法があります。
「融資やサポートを断られた…」「自己資金がない…」そんな方はぜひ一度ご相談ください!
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※本コラムでご紹介する内容は専門家および創業融資の窓口®(コンサレッジ株式会社)の監修によるもので、一般的な創業融資を受けるための方法です。
自己資金100万円の人がやってはいけないNG行動
自己資金100万円は、使い方次第で評価を上げることも、一気に詰むこともある金額です。
今まで見てきた中で、「この行動をした瞬間に融資が遠のいた」というNG行動を、理由とセットで解説します。
NG①「自己資金が少ないから、とにかく満額を狙う」
自己資金100万円の方に最も多いのが、この思考です。
「どうせ少ないなら、いけるだけ大きく借りたい」
「通るかどうか分からないけど、ダメ元で1,000万円出してみよう」
これは、金融機関目線ではこう映ります。
- ・事業規模と借入額が釣り合っていない
- ・返済能力を冷静に考えていない
- ・数字より希望で動いている
自己資金が少ない人ほど、身の丈に合った金額設計ができているかを厳しく見られます。
結果として、「この人はお金の使い方が荒そうだ」と判断され、金額以前に評価を落とすケースが非常に多いです。
NG②初期投資、特に内装や設備にお金をかけすぎる
自己資金100万円の人がやりがちな失敗が、
- ・見栄えのいい内装
- ・最初からフルスペックの設備
- ・「どうせなら良いものを」という発想
です。
金融機関が見ているのは、事業が続くかどうかであって、オシャレかどうかではありません。
初期投資が重い=回収に時間がかかる・資金繰りが詰まりやすい
と判断されます。
特に自己資金が少ない場合、「まずは最低限で始める」という設計ができていないと、それだけでマイナス評価になります。
NG③生活費と事業資金を混ぜてしまう
これは非常に致命的です。
- ・自己資金100万円の中に生活費が含まれている
- ・通帳の中身が私費と事業費でぐちゃぐちゃ
- ・「正直、どれが事業用か分かりません…」
この状態は、金融機関から見ると、
「お金の管理ができない人」
「事業と家計の区別がついていない人」
という評価になります。
自己資金が少ない人ほど、お金の管理能力そのものが問われるため、このNGは致命傷になりやすいです。
NG④通帳履歴を軽視する(見せ金・不自然な入金)
自己資金100万円という金額は、通帳履歴を必ず細かく見られます。
- ・直前に親から100万円がドンと入っている
- ・出所を説明できない入金がある
- ・「貯めた過程」が見えない
この場合、「本当に自分で準備した自己資金なのか?」という疑念が生まれます。
特に見せ金を疑われると、金額に関係なく評価は一気に下がります。
自己資金が少ない人ほど、金額より貯め方が重要です。
NG⑤「自己資金が少ない=不利」と自分で言ってしまう
面談で、ついこう言ってしまう方がいます。
「自己資金が少なくて不安なんですが…」
「正直、足りていないと思います」
これ、金融機関側からすると、
「自分でも無理だと思っている事業」
「覚悟が足りないのでは?」
と受け取られることがあります。
自己資金が少ない事実は変えられません。だからこそ、
- ・なぜこの規模で始めるのか
- ・なぜこの金額で回るのか
を自分の言葉で説明できるかが重要です。
NG⑥「自己資金=多ければ多いほど良い」と勘違いする
意外に多いのがこの誤解です。自己資金は、多ければ多いほど良いわけではありません。
自己資金100万円でも、
- ・事業規模に合っている
- ・生活費が確保されている
- ・資金繰りに無理がない
この状態であれば、十分に評価されます。
逆に、
- ・自己資金300万円
- ・でも初期投資で全部溶かす
- ・運転資金ゼロ
この方が、よほど危険です。
NG⑦他人の成功事例をそのまま真似する

ネットで見た人は100万円で1,000万円借りてたので…
これは現場で本当によく聞きます。
しかし、
- ・業種
- ・経験
- ・売上構造
- ・タイミング
が違えば、結果はまったく変わります。
自己資金100万円の人に必要なのは、再現性のある戦略です。
自己資金100万円を武器に変える戦略
自己資金100万円は、使い方次第で評価を高めることができます。
これだけでも、金融機関の見方は大きく変わります。
まとめ|自己資金100万円は「可能性の分岐点」
自己資金100万円は、多くもなく、少なくもない。
しかし、設計を誤れば不利になり、設計が整えば十分に戦える金額です。
創業融資で重要なのは、自己資金の多寡ではなく、
- ・事業が回るか
- ・返済できるか
- ・経営者がそれを理解しているか
この3点。自己資金100万円という条件を「足りない」と嘆くのではなく、どう活かすかを考えることが、創業融資成功への近道です。
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